今回はソーラーパワーについてご紹介します。
1.ソーラーパワーとは?
ソーラーパワー(太陽光発電たいようこう はつでん、英: Photovoltaics、Solarphotovoltaics、略してPVとも)とは、太陽光をソーラーパネルを用いて直接的に電力に変換する発電方式です。
ソーラー発電、大規模な太陽光発電所はメガソーラーとも呼ばれています。
再生可能エネルギーである太陽エネルギーの利用方法の1つです。
技術的特徴として、発電量が日照(気候・天候や季節、地形による差が大きい)に依存し不随意に変化する一方、昼間の電力需要ピークを緩和できます。
さらに火力発電では不可避の化石燃料消費量と温室効果ガス排出量をともに削減できます。
放射性廃棄物の処理や事故が起きた場合の汚染被害といった課題を抱える原子力発電への依存度を下げる手段としても活用されつつあります。
さらに、発電装置はパネル状なので、家屋やビルの屋上、車の屋根にも設置でき、実際のところ、太陽光発電専用の敷地を大々的に必要とせずともエコなエネルギーを生産できる発電方法です。
設備はソーラーパネルと、電力として利用する為に必要な電圧及び周波数を変換するインバータ(パワーコンディショナー)で構成されます。
発電が行われる時間帯・地域と電力需要が異なる場合には、大型や小型と言った、各種蓄電池も組み合わせてエネルギー調整しながら供給することが可能です。
開発当初は極めて高価で、宇宙開発等限られた用途に使われていました。
近年では発電コストの低減が進み、多くの発電方法と比較して高コストながら、年間数十ギガワット単位で導入されるようになりました。
今後、次世代のエコなエネルギー資源として、コスト低減や市場拡大が続くと見込まれ、各国で普及政策が進められると同時に、資源やエネルギー問題として貿易摩擦に発展する例もあるほどです。
太陽光のエネルギーは膨大で、地上で実際に利用可能な量だけで世界のエネルギー消費量の約50倍と見積もられています。
地球に降り注ぐ太陽光の総エネルギー量173000 TWのうち僅か40 TWが光合成を経て有機物を生成しています。
人間活動で消費するエネルギー量は14 TWとさらに少ないです。
仮にモンゴルにあるゴビ砂漠に現在市販されているソーラーパネルを敷き詰めれば、全人類のエネルギー需要量に匹敵する発電量が得られると言われています。
これはもう、資源の乏しい不毛なゴビ砂漠へとソーラーパネルを設置し、次世代エネルギーの有効活用をプロジェクトした方がよさそうですね!
生産に必要な原料は豊富で少なくとも2052年頃までの予測需要は十分満たせるとされ、シリコンを用いるソーラーパワーでは資源量は事実上無限とされています。
シリコンを用いないソーラーパワーはインジウムなどの資源が将来的に制約要因になる可能性がありますが、技術的に使用量を減らせば2050年以降も利用可能とされています。
ソーラーパワー用シリコン原料の供給は2008年まで逼迫し価格が高止まりしたが、各社の増産が追いつき2009年から価格低下が予測されました。
ソーラーパワー専用シリコン原料生産技術は様々なものが実用化され、精製に必要なエネルギーやコストが大幅に削減されるらしいです。
2.ソーラーパワーの利用法方
ソーラーパワーには【独立蓄電】と【系統連係】の2種類があります。
独立蓄電
発電した電力を二次電池に蓄電利用し外部送電網に接続しない形態。
夜間や悪天候時の発電量低下時も太陽光発電のみの発電で電力供給する場合に利用する方法。
系統連系に比べ蓄電設備にかかる費用・エネルギー・CO2排出量が増加しますが、外部からの送電費用が上回る場合のほか、移動式や非常用電源システムで用いられます。
消費電力が少なく、送電網から遠い場合へのメリットが大きいですが、送電網に近くても送電電圧が高い場合には変電設備よりも独立電源設備が安いことがあります。
一般向けに、小型の最大電力点追従制御機能(MPPT)と自動車用バッテリーで構築する製品も市販されています。
・携帯用小型機器
– 電卓・懐中電灯・腕時計など消費電力の少ない携帯機器で利用
・未電化地域での電源
– 送電網がない地域の照明や家電の電源
・移動時の電源
– ソーラープレーンやソーラーカー・電気自動車の電源
・小規模電源
– 庭園灯や街路灯や駐車券発行機などメンテナンスや配線のコスト削減のために利用
– ポータブルバッテリーへの蓄電
– 非常用電源
– 無線通信網の中継局や航空管制局
– 軍用・アウトドア用の可搬式電源
– 自動車の換気用電源
系統連系
電力会社の送電網に同期接続する形態が系統連系です。
送電網が近傍にある場合は、売電するために系統連系して利用する場合が多いとのこと。
太陽電池モジュール→パワーコンディショナー→商用電線路という接続形態を取ります。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)では発電量が設置場所での利用量を上回る分を電力会社に供給します(売電)。
電力を送電網に送ることを逆潮流と呼び、夜間や悪天候時に発電量を利用量が上回ると系統側から電力供給します。
一般に独立型より発電規模が大きく、独立蓄電型のような大容量の蓄電設備が不要であり、その分、発電量あたりのコスト・温室効果ガス(Greenhouse Effect Gas:GEG)排出量・ライフサイクル中の投入エネルギーが独立型より小さいです。
・小規模電源設備
– EVカーやスマートハウスなどの充電スタンド設備
3.長所
【装置】
– 発電部(セル)に可動部分が無くソリッドステートであるため、原理的に機械的故障が起きにくい。
– 規模を問わず発電効率が一定なため小規模・分散運用に向いている。
– 発電時に廃棄物、排水・排気、騒音・振動が発生しない。
– 出力ピークが昼間電力需要ピークと重なり、需要ピーク電力の削減に効果がある。
【設置位置】
– 屋上に設置できるため、専用の敷地を必要としない。
– 需要地に近接設置でき、送電コストや損失を最小化できる。
– 蓄電池の利用で、非常用電源となりうる。
– 運搬・移動に適した小型製品がある。
– 他の発電方式と比較し設置制限が少なく、建築物の屋根や壁面に設置でき、土地を占有せずに設置可能。
【環境】
– エネルギー自給率を向上させる。
– 稼働に化石燃料を必要とせず、エネルギー安全保障上で有利。
– 発電時に温室効果ガスを排出せず、設備製造等での排出も比較的少ない。
4.短所
【装置】
– 送配電系統へ連結する場合、直流から交流へ、及び必要な商用電源周波数へ変換する為のインバータ装置が必要。
【コスト】
– 発電電力量当たりのコストが他の発電方法より割高である。
– 設置面積当たりの発電量が、集中型発電方式に比べて低い。
– 発電量に関してスケールメリットが効かず、規模を拡大しても発電効率が変わらない。
– 夜間はほとんど発電出来ず、昼間も天候等により発電量が大きく変動する。
【発電環境】
– 高温時に出力が落ちる。
– 影やパネルの汚れ、火山灰、降雪等で太陽光を遮蔽されると、電力出力が落ちる。
【環境】
– 景観・自然環境への影響や災害リスクの増大。
具体的には、発電施設建設のため森林が伐採されることなどによる動植物の生息環境悪化や土砂災害の危険性が指摘されている。
– 人家近くに設置された場合、パネルで反射された太陽光による光害や熱中症が引き起こされる場合がある。
– 火災等で設備が破損した場合、日中はもちろんのこと夜間であっても、炎の光で発電が継続されてしまうため、設備が新たな発火の原因になったり、放水による漏電で消火作業中の消防隊員が感電したりする恐れがある。
なお消防隊員が残火確認中に感電した事例も報告されており、このため消火作業・鎮火宣言が遅れることがある。
– 太陽光パネルの損壊部から、鉛やセレン等の有害物質が流出し、土壌汚染を招く危険があり、破損したパネルを処理する場合は、排出事業者が処理責任を負う。
– 設置者は、感電の危険性や有害物質流出についての注意喚起し、災害時には安全のために立ち入り禁止としたり、破損部をシートで覆う等の危険防止策が必要となる。
5.まとめ
上記のソーラーパワーの長所と短所を見ても、断然、長所が多く、短所は副次的なものなので、ビルの屋上に設置しておくのは問題なさそうですね。
現在もソーラーパワーやソーラーパネルの技術や開発が進んでおり、近い将来、上記の短所にあるような問題も起こらない様になるかもですね。
地球の資源には限りがあり、嫌が応にも太陽を、ソーラーパワーを資源として取り扱う事は間違いないですね。
ソーラー以外にも、風力や地熱と言った本来から地球にある無限の資源をうまく組み合わせれば、地球の汚染を免れそうです。
今後は、ソーラーパワーを利用した、エコな次世代のエネルギーに期待していきたいです。