スマホゲームをプレイしている方なら、一度は経験したことがあるであろう「課金」。今回は、スマホゲームの課金に関して少し掘り下げてお話ししたいと思います。
実は、私も大のゲーム好きです(笑)。お客様の中でも特にお子様の気持ちを理解できる自信があるくらい、ゲームに夢中な一人です。端末の機種変更の際に、ゲームデータの移行ができないというお問い合わせをいただくことがよくあるのですが、個人的にはそういったご相談を受けるのが大好きだったりします。
普段、私がプライベートでゲームを楽しむのは、主にパソコンです。お金をかけずに、できるだけリーズナブルな方法でゲームを楽しむことが多いのですが、最近は忙しい方が増えてきたこともあり、テレビの前でゆっくりゲームを楽しむという時間がなかなか取れなくなってきているのも事実です。
そこで、特にここ4〜5年で急速に普及してきたのが「ソーシャルゲーム」、通称「ソシャゲ」です。これらは、スマホで「基本無料」で遊べるゲームがメインです。「基本無料」という言葉にどこか魅力を感じてしまいますよね。気軽に始めてみて、ちょっとした時間つぶしに遊ぶ分には、無料で楽しめます。
しかし、気をつけなければいけないのは、ゲームにどっぷりハマりすぎると、リスクが伴うということです。無料だからと言って、何もお金を使わずに済むわけではないのが「ソシャゲ」の怖いところ。基本無料とはいえ、結局「課金」という要素が絡んでくるため、プレイしているうちにどんどんお金がかかってしまうことがあるのです。
では、どんな点にお金を使うのか、簡単にまとめてみましょう。
ソシャゲにおける「課金」の主な要素
・ガチャ(ガチャポン)
これが最も多くの課金を生み出す要素の一つです。ガチャは、キャラクターやアイテムなどをランダムに入手できるシステムで、プレイヤーは欲しいキャラクターやアイテムを手に入れるために何度もガチャを引くことが一般的です。確率に依存するため、欲しいものを手に入れるには、運が絡みます。これがどんどん「もっと引きたい!」という欲求を生み、気づけばかなりの額を費やしてしまうことも少なくありません。
・アイテムや装備の購入
ゲーム内でキャラクターを強化するためのアイテムや装備が販売されていることが多いです。これらを購入することで、ゲームを進めやすくしたり、強いキャラクターを作り上げることができます。しかし、ゲームが進行するにつれて、これらのアイテムがないと勝てない、進めないという状態になりやすく、気づけば多額の課金をしてしまっていることがあります。
・スタミナ回復や時間短縮
ソシャゲでは、ゲームの進行に制限が設けられていることが多く、その代表的なものが「スタミナ」や「体力」です。これらが尽きると、一定時間待たなければならなくなり、その間に別のゲームをすることもできますが、時間を短縮したいという気持ちから課金してスタミナ回復をするプレイヤーも多いです。
・イベント限定アイテムやキャラクターの購入
ゲーム内で行われる限定イベントやキャンペーンでは、特別なキャラクターやアイテムが手に入ることがあります。これらのアイテムやキャラクターを欲しがるあまり、イベント期間中に必要以上にお金を使ってしまうこともあります。特に期間限定のものは、プレイヤーに「今しか手に入らない!」という心理を働かせるため、課金が加速する原因となります。
・VIP制度や月額サブスクリプション
一部のソシャゲでは、月額制の「VIP制度」や「パス」が提供されており、これに加入すると特典やボーナスがもらえるという仕組みがあります。毎月一定額の課金が必要となりますが、その見返りとしてゲーム内で有利な特典を得ることができます。これが繰り返されると、継続的に課金する習慣がついてしまう可能性もあります。
「課金」に対する意識を持とう
スマホゲームは「基本無料」で遊べるものの、課金要素が非常に強いです。そのため、ゲームにのめり込んでいくと、知らぬ間にお金がかかってしまうというリスクがあるのです。しかし、それを防ぐためには、最初から「自分はどのくらいまで課金しても大丈夫か?」という意識を持ち、予算を決めて遊ぶことが重要です。
また、最近ではゲーム内で課金上限を設定できる機能も増えてきているので、予算を設定して自分を制限することができるようになっています。もし、お子様がゲームをしている場合は、保護者として課金の管理をしっかり行い、過度な課金を防ぐことも大切です。
日本はガチャ課金が主流
近年、スマホゲームの課金問題が深刻化しています。特に日本では、ガチャ課金が主流となっており、多くのプレイヤーがその渦中に巻き込まれています。私自身もゲームを楽しむ一人として、ガチャを何十回も引いてみた経験があり、その気持ちがよく分かります。「無料で配布された石を使って回す分にはお金はかからないから大丈夫」と思っていたのに、気づけば次第に課金することに・・・というパターンに陥りがちです。
ガチャを回してもなかなか欲しいアイテムが出ない。さらにそのアイテムを手に入れるために、またガチャを回す。これがいわゆる「課金スパイラル」の始まりです。特に引き際が分からなくなり、どんどんお金を使ってしまうことがあるので、ゲームの世界にどっぷりハマる前に、自分自身の課金管理方法をしっかり考えておくことが大切です。
ガチャ課金問題の社会的影響
実際、ガチャ課金は一時期社会問題として取り上げられることもありました。日本だけでなく、アメリカでも同様の問題が発生し、ガチャ課金が規制される流れになりました。そのため、近年では課金の要素が異なる形態へとシフトしています。たとえば、アメリカではPUBGやLOL(リーグ・オブ・レジェンド)など、プレイヤー同士の腕を競い合うゲームが主流となり、課金要素が比較的少なくなっています。
しかし、依然として日本ではガチャ課金が主流のままであり、ゲームをプレイしているとどうしてもその誘惑に引き寄せられることになります。では、私たちがどうやって上手に「無料ゲーム」と付き合っていくか、特に家族やお子様がいる場合にどう対応すればよいかを、過去に何十万、いや何百万円も課金した経験から、いくつかのアドバイスをお伝えします。
無料ゲームとの上手な付き合い方
1. 「絶対に課金しない」と心に決める
無料でプレイできるゲームは数多くありますが、ガチャを回すには「石」や「チケット」など、何らかのアイテムが必要です。多くのゲームでは、これらを無料で配布することがあります。こうした無料配布分だけを使って楽しむと決めて遊ぶことが一つの方法です。しかし、ゲームにハマると、どうしても「次こそは欲しいアイテムが手に入るかもしれない」と思ってしまい、課金したくなる衝動が強くなります。これには相当な精神力が必要です。
2. Apple IDやGmailアカウントにはクレジットカードを登録しない
課金時に使用されるのは、登録しているクレジットカードや、iTunesカード、Google Playカードです。これらを使うことで手軽に課金できる仕組みですが、課金を防ぐために、クレジットカードの情報をアカウントに登録しないことが有効です。特に、タイにいれば、iTunesカードやGoogle Playカードを手に入れるのが難しいため、クレジットカード情報を登録しておく必要はありません。これだけでも課金の誘惑を大きく減らせます。
3. 毎月の課金予算を決めておく
どうしても課金をしたい場合は、毎月の課金予算を事前に決めておき、予算内で楽しむことが重要です。例えば、クーポンやプロモーションを使って課金する場合は、あらかじめその月の支出額を決めて、使う分だけを確保しておきましょう。日本で事前に使える金額を封筒に入れて管理する方法もあります。決められた金額を超えないようにすることで、無駄な課金を避けられます。
4. 金銭感覚や収入、支出は人それぞれだと認識する
SNSやYouTubeには、ガチャ動画が多くアップされており、「○○万円相当のアイテムを引いた!」という報告を見ることがあります。こうした動画を見ていると、つい「自分もやってみたい」と思ってしまうかもしれませんが、注意が必要です。人それぞれ収入や支出の感覚は異なり、他人の支出額が自分にも適用されるわけではありません。大きな金額を課金することができる人もいれば、少額でも十分に楽しいと感じる人もいます。ゲームの進行度やアイテムが手に入る確率についても、他人の当たり報告は「氷山の一角」だということを理解しておくべきです。