今週の火曜、3月29日にJWDとの提携に関するプレスリリースを報道発表した。
ここに至るまで紆余曲折あり、要求もタイムラインも相当厳しい中で、チーム内のメンバーのみならず、技術開発チーム、社外の方からも多くのお力添えのお陰で、やっと辿り着けた。本当に感謝しかない。特に開発部隊と、CloudRoomチームのメンバーは毎日の激務にも耐えて、よく付いてきてくれた。息つく暇も無くハードワークは続いているが、これからも持ち前のチームワークでより高みを一緒に目指していきたい。
正直、自分もしんどかった、、、
自分も引きこもりになったり、まったく上手くいってなくて、へたくそを自覚したり、、、のハードシップも過去記事で綴っているので、こちらもご笑覧あれ。
ここに出てきた、「すげーやつ」というのが今回の相手、JWDの子会社JWD Store It!のトップだ。(途中、「やべーやつ」、「モンスター」とか言いたい放題なのはお許しを。)
業務提携に至るまでの伏線
CloudRoomを立ち上げる時に、金融業界に長く身を置く親友に相談した。
認知度と、技術開発の部分で、絶対に高いハードルがあることは最初から目に見えていたので、株式での資金調達も視野に入れていた。親友のアドバイスとしては、資金自体は多分集められるが、今の事業は切り離さないとキツイだろうという見解だった。つまり、新会社を作り、そこでアーリーステージで調達すべき、と。今の事業が幾ら黒字だったとしても、直近株価が付いているよりも真っ白の会社の方がリスクマネーを投じやすいのが投資家心理らしい。
この事業は成功させたい。これに専念することも厭わない。そのためには資金が必要だ。堂々巡りの熟慮を重ねた結果、このa2networkの箱で新事業をスタートすることに至った。辿り着きたいゴールが、今のメンバーたちと一緒に目指したい場所だったから、という原点回帰ゆえの結論だったが、「青臭いけど、オマエらしい」と親友には失笑された。笑
これまでも、大きな資金が無い中でなんとか工夫して、ここまで来た。
このCloudRoom事業の開始当初は、まったくこの業界に知人すらいない状況ではあったが、やり続けたら何か拓けるはずだ、という根拠の無い自信はあった。
タイのローカル市場へのアプローチは、やはりタイ企業が強い(当たり前だ)。
これまでは、仕入元パートナーだったAIS、TRUEに当社プロダクトを再販してもらうバーターで、タイローカルの市場開拓をしてきた。今回は、当社が独立的なポジションで市場参入したところもあり、競合とも言える立場でパートナーシップ戦略が上手くいくか、強がっていたものの勝算が薄い中でのスタートなのは事実だった。
渡りに船
CloudRoom事業を立ち上げ、ベリーモバイルのお客様を中心に日本人から提供を開始し、ここまでは運用とU/Xを磨く半年だった。これからローカル市場にアプローチしたい中で、知名度の低い当社が提供するサービスを安心して利用してもらうためには、認知度を上げるという絶対命題があった。
そんな矢先、先にアプローチしてきたのはJWDの方だった。JWDが大手不動産デベロッパーから、こんなプロジェクトを一緒にやらないか?と持ち込まれ、そのビジネスモデルが、まさにCloudRoomだったようだ。JWDが探し回って、当社に辿り着いたらしい。
JWDは、タイ大手の物流会社で、JWD Store it!というセルフストレージ子会社を傘下に持つ。タイのセルフストレージ市場自体が黎明期ということもあり、大資本を投下して箱(ストレージ)は作ったものの、まだまだスペースは埋まりきっておらず、そこを埋める相手も探しているようだった。
対して、当社の状況は、今の倉庫スペースが埋まりつつあったので、大き目の倉庫を郊外に構えようと、まさに物件探しを始めていたところだった。追加の設備投資をせずに、タイ国内随一のファシリティを誇るJWDの空きスペースを使わせてもらえるだけでなく、不動産デベロッパーとのタイアップ案件から入り込める。そして、市場認知度の爆上げも期待できる。
まさに渡りに船だった。
サービスオーナーシップはウチが握る!
最初は、当社がベンダーのような座組みの提案を持ち込まれた。手っ取り早く稼ぎたければ、アプリを提供するだけの建付けは楽で、リスクも低く儲けられるかも知れないが、それでは面白くなかった。あくまでもCloudRoomのオーナーシップはウチが握る点にこだわった。腹痛めて産んだ子は、一緒に育てていくのは良いが、手放したくは無い。
交渉上、オーナーシップを握る代わりに、全オペレーションを当社が背負う、という条件を提示した。大抵の企業(特に大企業)はオペレーションを嫌う。オペレーションを一手に受ける、と言うと「どうぞどうぞ」どころか、「本当に良いんですか?」となる。我々のような資金力に乏しい会社は、実はこれが一番の交渉材料になるのだ。
オペレーションは貧乏くじなんかではない。私はアタリくじと思っている。オペレーションを担当することは、一見手離れが悪く非効率なディールに見えるが、オペレーションのノウハウは、一朝一夕では真似できない投資対効果の高い経営資産と捉えている。私は業務提携の戦略上、ここは必ず獲りにいくことにしている。
最終的には、こちら側が描いた座組みの提案で、満額回答の合意が得られた。
もし、こちらからドアノックして始まった交渉であれば叶わなかったと思う。願ったり叶ったりの相手と対等提携で着地できたのは、今振り返っても強運でしかない。
ここからが本番
これで、CloudRoomに、JWDのブランドという大きな武器が備わった。レベニューシェアする分、身入りは減るが、JWDのピカピカのファシリティを設備投資せずに使えるだけでなく、資本力と、ブランド認知力と、豊富なコネクションを持って、ローカルにリーチできる足掛かりを得られた理想的なパートナーシップだと思っている。
ここまで来たので、この大きな武器を生かすためにも、ここから更にドライブを掛けていきたい。当社がオーナーシップを握ったので、上場企業が求めるクオリティ、お客様に選んでいただける心地良いサービスを追求し続けていく必要もある。まさに、次のステージにいくチャンスでもあるので、チーム一丸となって高みを目指していきたい。