Vol 7. 今年もありがとうございました。

Vol 7.  今年もありがとうございました。

 

大晦日。早いもので、今日で今年も終わり。ということで今年を少し総括。

2021年業績ハイライト

今年は本当に厳しかった。去年のコロナ危機が始まった頃、ワーストシナリオのシミュレーションを何度も入念に行った。そして、この1年の業績はというと、そのワーストシナリオに何度か下方修正を重ねた計画に沿って、見事に推移してしまった。最悪な状況は続かないだろう、とどこか楽観的だった自分の弱さに、毎月鞭でペシペシ打たれながら月次決算を見ていた感じだ。

当社は、ベリーモバイル以外に他の事業の柱も育ててきていた。ベリーモバイルに代表されるMVNOモデルのBtoC事業、UEM/モバイルセキュリティなどの法人ソリューションモデルのBtoB事業、MVNEモデルのBtoBtoC事業、と大きく3つの事業ドメインがあるが、ざっくりとコロナ前比で、、、

BtoC事業・・・▲2割減
BtoB事業・・・△3割増
BtoBtoC事業・・・▲9割減

というような感じだ。特に厳しかったのがBtoBtoC事業。各国のパートナー企業に対して主にローミングソリューションを提供しているのだが、世界中で越境する人が居ない状況で、パートナー各社ともかなり苦戦している。これが、去年より特に今年の方が顕著だった。一時期は当社内の事業セグメント別で4割近くあった売上シェアも、今や1割未満になってしまった。

対して、唯一成長した事業がBtoB事業だ。特に、今年はリモートワーク本格導入に向けて制度設計に取り組んだ法人が多く、モバイルセキュリティやエッジデバイス管理に対する感心の高まりが後押ししてくれた。当社が提供するWizberryは、ローカル企業へはタイ最大手キャリアAISが代理店として販売協力してくれているが、AISからの流入が過去5年で一番多く獲得できた年でもあった。

AISとの業務提携を発表:https://www.berrymobile.jp/thailand/information/1918
Wizberryサービスページ:https://www.wizberry.biz/jp/

売上は5年前に巻き戻し

当社のビジネスはストックビジネスなので、本来ならば減少サイクルに入った場合も、緩やかに右肩下がりになるのがセオリーだが、待ったなしで急に5年前の売上水準に巻き戻されてしまった。少しずつ積み上げてきたものが、一気に吹き飛んだ形だ。

5年前は、社員数がちょうど半分だった頃だ。
全くコロナが明ける見通しも立たない状況で、売上が元に戻る気配も全く無い。

さて、どうすんべか。と毎日、逡巡していた。

チャレンジし続けるレジリエンスな組織に

指を加えてコロナ危機が明けるのを待っていたところでいつになるか分からない、元の世界に戻るとも考えにくい。こんな1回のパンデミックで、チャレンジを止めてたまるか、が自分の答えだった。

正しい経営者なら、ここで人員を半数、少なくとも3割は減らすだろう。減給も実施するべきだろう。もし、当社のこの状況を開示されて、客観的にアドバイスを求められたら、自分もリストラを勧めるかも知れない。

しかし、私は増員を選択した。逆にチャンスと捉え、チャレンジする方向性に舵を切った。

今年の年頭に、メンバー全員に当てたメッセージの中では、売上が社員数半分だった頃に戻ったのだから、生産性を今の倍に上げる1年にしよう、と宣言した。そして、今の業務を半分の人員で回せるようになったら、残り半分の空いた稼働でパンデミックでも生き抜ける新たな価値観軸の事業を創ろう、と。

 

そして、新事業CloudRoomの誕生

実はこの新事業は、コロナが無くても始めていた事業だ。コロナ前から有志たちで終業後や休日にコワーキングスペースに集まって、膝突き合わせながら事業計画を練ったり、市場調査や、アプリ開発などを進めていた。強いて言えば、コロナ禍で時間が空き一気に進められたので、ローンチは計画より早まった。コロナで、たまたま良い物件が空いたり、いろいろと安く発注できたり、優秀なプロジェクトマネージャーが採用できたり、という外的要因に背中を押された気がした、というのもあった。

CloudRoom:https://www.cloudroom.me/jp/

当然ながら、新事業を開始するには資金需要も出てくる。このご時世に、新規事業投資はやはり重い決断だった。更に、筋肉質な組織作りを旗振りして、基幹システムもフルスクラッチでリニューアルを進めており、このシステム開発もかなり大きな額を継続投資中の状態でもある。

 

しびれる最高の1年だった

この1年は、自分もがむしゃらだった。アプリ開発も自分でコーディングして、お客様宅にはリュック背負って見積りに行って、業務フローのSOPも作って、パートナー開拓営業もやって、、、と、久々の現場仕事に興奮もあり、足元の業績のヒリヒリ感も楽しかった。

一度、決めてしまったらもう突き進むしかないので、この決断が正解だったと思えるまでやり切るだけだ。やることが明確になったので、精神的には随分楽になれた。そして、一時帰国需要や、オフィスのダウンサイズなどの特需により、運良くCloudRoom事業は開始初年にも関わらず波に乗ることが出来た。

お陰様で、2021年も最後の踏ん張りで、なんとか黒字で着地ができそうだ。10月までの赤字額から考えると、奇跡だ。
役割分担が大きく変わったメンバーも多く、これまで陽の目を見なかったメンバーも活躍してくれ、地道に頑張って市場を作ってきたBtoB事業のタイ人部隊も大きく飛躍してくれた。特に11月以降に全員出社となってからは、メンバー全員が一丸となって前に向かう姿勢は見事だった。

反面、当社のステージはまだまだ低いところにあることに、リモートワークと現場での実務を通して再認識した部分も多かった。課題が沢山炙り出された2021年だったが、その分、伸びしろも大きいと思っている。

2022年はより一層の努力・精進して、飛躍を誓う。

 

最後に

先週、忘年会を開催した。みんなで集まるのは、2年ぶりだ。
この2年の間に7名の社員が入社したが、歓迎会もずっと開催できていなかった。みんなの顔を眺めて、やっとみんなで集まれたな、、、とウルっとなってしまった。なかなか顔も合わせられない中、今年も1年みんなで力を合わせて、一生懸命、努力・貢献してくれたことに感謝。

来年も頑張ろう!

 

 

皆さま、良いお年を。

 

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