へそくり、という言葉が嫌いだ。なんか、姑息な匂いがする言葉だからだ。
コソコソやらず、堂々と貯蓄でも投資でもすれば良いと思うし、
節約した対価は自分の物だ、というような、
どうも利己主義的な横柄さも感じる。
勉強してない、って言ってる奴に限ってテストで良い点取るアレに似た気持ちの悪さも感じていた。
でも、実際に自分の身に起きたらどうだろう?
例えば、急に、妻がへそくりで100万円貯めたよ、
って報告してきたらどうだろう?
お、おぅ、すげーな、、、ってなる。
知らないところで、どうやってそんな貯めてたんだ?と、その時改めて、その努力を想像して、でかした、と称賛するだろう。
そして、その100万円は妻が使うべきだし、それで豪遊しようが、何とも思わないだろう。
元々あると思ってなかったカネだから。
この期待値ゼロからの高低差から生まれる心理的カラクリは、日本人の仕事の進め方にも通ずるところがある気がする。
スキルのへそくり
シラチャのメンバーがYouTubeを始めた。
最初は懐疑的だった。
テレビ番組と違いYouTubeチャンネルは無数にあり、裏番組では、アマゾンの奥地で野生動物と共生してる強者もいれば、何百万人のファンが元からいるアイドルもいる、テレビの世界からスピンオフしてテレビ番組さながらの構成や演出で、その辺のTVバラエティ番組よりよっぽど面白いと思えるものも沢山ある。
タイでも最近、YouTubeを始めた方たちも多く、皆さん、元からファンも多そうだ。弊社の、どちらかと言えば引っ込み思案でマジメなパーソナリティの社員たちが作ったものが誰かの目に触れることはあるのかな?と思っていた。
が、その心配は杞憂に終わった。
彼らは、私に企画を提案する前に、自分の趣味チャンネルを作りながら、動画の編集や、YouTube運営の勉強をしていたのだ。
その裏の努力を隠して、、、要は、スキルをへそくりしてたのだ。
バズってるとまでは言えないが、十分に多くの人たちに良い情報提供が出来ている番組になっている。
YouTuberのガチャガチャ感が少し苦手な私からすると、ベリーモバイルのシラチャチャンネルは心地の良い温度感で、私自身も、1視聴者であり、1ファンだ。
シラチャチームの取り組み
コロナでシラチャの街がすっかり元気がなくなってしまった。
飲食店やサービス業は特に厳しく、少しでも貢献できることはないか、シラチャの為に何かしたい、と弊社シラチャチームが一念発起。
今年の初めからフリーペーパー「シラチャガイド」の創刊を開始した。
シラチャで頑張る日系企業を応援したいのに広告費を取ってしまったら本末転倒なので、初回号は広告費は取らない方針にしたので予算がかなり限られる。
賛同してくれたバンコクのメンバーも手を挙げてくれたものの、紙媒体の冊子作りなど誰も経験したことがない。あらゆる情報をネットで拾ってきたり、知人に聞いたり、トライアンドエラーを繰り返して、なんと外注を使わず全て内製で、記念すべき第1号が仕上がったのだ。
本業を疎かにせずやることを条件にしていたので、営業時間外やプライベートの時間でもかなり学習に費やしていたはずである。もはや、へそくりレベルでは無いが、この努力とチームワークで、しかもかなり完成度が高いものに仕上がったのは、本当に感動ものだ。
そして、誌面だけではなかなか伝えられない情報があるから、ということで始めたのが動画での訴求・Youtube、と言う流れである。
結論、へそくりは、カッコ良い。
ビジネスの上で日本人をやや卑下的に欧米と対比するときに、開発途上でもローンチしてしまって実践ノウハウ溜める欧米人と、完璧主義で商機を逃す日本人、のような二元論をよく耳にする。この辺も、このへそくり根性に起因している気がする。
いつの間にそんなスキルを身に着けていたんだ?
いつの間にそんな仕事進めていたんだ?
いつの間に整えてたんだ?
長短あるが、一緒にやるメンバーは、こういうへそくり根性は、嬉しいし、何より頼もしい。そして、格好良い。
へそくりは日本人の誇るべき美学なのかも知れない。
ただ、それは期待が無いところからの高低差が感動度合いになるものなので、期待はソコソコにしないとならない。
、、、ということで、妻のへそくりには期待しないことにします。
シラチャチームの努力の結晶を是非手に取ってみてください。
● シラチャガイドは、ベリーモバイルバンコクショップ・シラチャショップにて無料配布中。
● お得なクーポン情報あり!
● 次号は2022年1月中旬予定