オフィスのペーパーレス化は、近年のデジタル化の進展や新型コロナウイルスの影響もあって、再び注目が集まっています。リモートワークの普及により、紙の書類に頼らないワークフローの必要性が増し、データのデジタル化や共有がより重要視されるようになっています。さらに、政府も電子契約の法整備を進めており、ペーパーレス化を推進するための環境が整いつつあります。このような背景から、オフィスにおけるペーパーレス化の流れは今後ますます加速すると予想されます。
しかし、従来の紙ベースの業務からペーパーレス化を導入することに対して、不安や抵抗を感じる方も少なくありません。「これまでの書類管理方法が大きく変わる」「デジタルツールに慣れていない」といった理由から、導入のハードルが高いと感じられることもあるでしょう。
そこで今回は、オフィスのペーパーレス化による具体的なメリットを改めてご紹介しつつ、実際の導入プロセスについても解説していきます。ペーパーレス化がもたらす効率化やコスト削減の効果、そして業務フローの最適化の可能性について、理解を深めていただければと思います。
世界的にペーパレスの流れ
オフィスにある紙の書類といえば、契約書、会議資料、申請書、稟議書、社内報、顧客情報、請求書、領収書…と、数え上げればキリがありません。これら膨大な紙の資料や文書をデジタル化することで、作業効率やコスト削減、エコロジーなど、さまざまな観点から生産性向上を図る取り組みが「ペーパーレス化」です。
ペーパーレス化の取り組みは1970年代から始まり注目を集めてきましたが、規定により紙での提出が義務付けられる書類が多く、特に日本では、こうした伝統的な制度の影響もあって社会全体での進展は遅れていました。しかし、デジタル技術の進化や新型コロナウイルスの感染拡大によるリモートワークの普及などを背景に、ペーパーレス化の必要性が再認識されつつあります。
さらに、日本では2024年1月から請求書の電子化が義務化されるなど、法整備の観点からもデジタル化の波が押し寄せています。同様に、タイでもe-withholding TAXの導入など電子化の取り組みが進んでおり、ペーパーレスへの取り組みが再び世界的な注目を集めています。
ペーパーレス化によってオフィスの書類管理は効率的になるだけでなく、物理的なスペースの削減や、検索性の向上、さらにペーパーレスによる環境への配慮も期待されます。このように、ビジネスや社会全体でメリットを享受できる「ペーパーレス化」こそが、これからの時代に必要不可欠な取り組みといえるでしょう。
ペーパレスのメリット
ペーパーレス化には、さまざまなメリットがあり、多くの企業が生産性や効率性の向上、コスト削減のために取り組みを進めています。
それでは、代表的なペーパーレス化の効果について、詳しく見ていきましょう。
メリット1:コストの削減
紙代、印刷代、インク代、印刷機器のメンテナンス費用、さらには文書の郵送・運搬費用や廃棄費用まで、紙の使用には多くの隠れたコストがかかっています。紙の消費を減らし、文書をデジタル化してパソコンやタブレットで情報を共有することで、これらの金銭的コストを大幅に削減できます。
また、紙を保管するためのキャビネットや専用の保管場所も不要になるため、その分のスペースを有効に活用できるようになります。オフィススペースの有効活用は、賃貸コストの削減や働きやすい環境作りにもつながります。
メリット2:業務の効率化
デジタル化により、社内ネットワークやクラウド上に保存されたデータへ、時間や場所を問わずアクセスできるようになります。リモートワークの拡大により、どこからでも必要な情報にアクセスできることは業務効率化の大きな助けとなります。
さらに、デジタルデータであれば、キーワードやタグを使って簡単に検索できるため、紙文書のように手作業で資料を探す必要がなくなります。こうした検索性の向上により、業務のスピードが向上し、社員が情報を活用しやすくなります。情報の即時アクセスは、チームの意思決定のスピードも上げ、柔軟かつ効率的な仕事が可能となります。
メリット3:修正・共有の簡略化
デジタル文書は修正や共有が簡単で、紙の文書に比べて遥かに柔軟です。紙の文書では、修正が必要な場合、修正箇所を手作業で洗い出し、再度印刷・配布しなければならず、手間もコストもかかります。加えて、複数のバージョンが発生すると、最新バージョンを管理するのも煩雑になります。
一方でデジタルデータであれば、修正を即座に反映させ、最新情報をチーム全体にリアルタイムで共有することができます。クラウドやバージョン管理システムを活用することで、常に最新の情報がどこからでもアクセスできるため、効率的な業務の進行が可能となります。
メリット4:セキュリティの向上
企業にとって情報の漏洩は重大なリスクであり、ペーパーレス化によってセキュリティ面でも多くのメリットがあります。紙文書の場合、物理的な紛失や盗難のリスクがあり、キャビネットに鍵をかけるといった基本的な物理対策しか取れません。
しかし、デジタルデータであれば、アクセス権限や閲覧権限を個別に設定し、社員の役職や業務内容に応じて制限を設けることが可能です。また、デジタルデータではアクセスログが記録されるため、誰がいつどのファイルを閲覧・編集したかの追跡も容易になります。不正アクセスや情報の持ち出しなどのリスク管理も強化され、セキュリティが向上します。
メリット5:環境負荷の軽減
紙の消費を減らすことは、環境保護にもつながります。紙の原料である木材資源の消費を減らすことができ、CO2排出量の削減にも貢献します。日本における紙の消費量は世界トップクラスであり、森林資源の保護が急務とされています。ペーパーレス化に取り組むことで、企業は単に経費を削減するだけでなく、社会的な責任を果たすことができるのです。
環境配慮型の企業としてのイメージは、SDGs(持続可能な開発目標)を推進する社会での評価にもつながります。今後、持続可能な取り組みを行っている企業への評価はますます高まると考えられるため、環境負荷の軽減は企業のブランディングにおいても重要な要素となるでしょう。
このように、ペーパーレス化には多角的なメリットがあり、コストや効率の面での向上だけでなく、セキュリティや環境にも良い影響を与えます。デジタル社会へ向けたこの取り組みは、長期的に見ても企業にとって大きな価値をもたらすものといえるでしょう。
ペーパーレス化に役立つツールをご紹介!
ペーパーレス化は、社内業務の効率化や管理の簡便化、コスト削減に貢献するだけでなく、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるためにも重要な取り組みです。具体的にペーパーレス化を実現するための方法をいくつか紹介いたします。
社内承認プロセスのペーパーレス化
ペーパーレス化に初めて取り組む際におすすめなのが、社内での稟議申請や承認プロセスのデジタル化です。従来の稟議申請は紙の書類に承認者の署名を集めるなど、手間がかかるだけでなく、物理的な書類のやり取りが発生するためタイムロスにもつながりやすいです。ペーパーレス化によって、稟議申請から承認までのプロセスをクラウド上で完結させることができれば、申請手続きがスピーディーになり、ペーパーレス化による作業の効率化が図れます。
また、クラウド上で稟議の流れがすべて記録されるため、内部統制の強化にも寄与します。承認の履歴をデジタルで管理することで、いつ・誰が・どのような決裁を行ったかが明確に残るため、業務の透明性が向上し、監査などにも対応しやすくなります。
弊社でも「クラウド稟議 by JOBCAN」というサービスを提供しており、社内の承認プロセスをデジタル化して効率化するお手伝いをしています。業務効率の向上と内部統制の強化を同時に実現できるため、ぜひ導入をご検討ください。
・社内の勤怠管理もペーパーレス化
多くの企業では、いまだに有給申請や休暇申請を紙で提出しているケースが見られます。しかし、最近ではICカードで出勤・退勤の打刻を行うデジタル勤怠管理システムが普及しており、紙のタイムカードを使わずに打刻データを自動的に記録・管理することで、工数を削減できます。これにより、労務担当者は勤怠データの集計作業が大幅に軽減され、より正確なデータ管理が可能になります。
また、勤怠管理がペーパーレス化されることで、社員はいつでもどこでも休暇申請が行えるようになり、申請・承認の効率化が進みます。勤怠管理のペーパーレス化は、DX推進においても大きな一歩となります。弊社では「スマート勤怠管理 by JOBCAN」というサービスを提供しており、企業の勤怠管理業務を効率化し、ペーパーレス化を実現しています。労務管理の改善に興味がある方は、ぜひご利用を検討ください。
電子署名の導入で社外とのやりとりもペーパーレス化
近年、タイでも電子署名の導入が進んでおり、契約書や合意書などの文書の署名をデジタルで行う企業が増えてきています。電子署名を導入することで、従来の紙での署名が不要となり、印刷や郵送のコストを削減できるだけでなく、手続きを大幅にスピードアップさせることが可能です。
また、電子署名はタイ国外の企業ともスムーズに取り交わすことができ、特に国際的なビジネスを行っている企業にとっては効率化の大きなメリットがあります。従来の紙ベースのやり取りに比べ、電子署名はセキュリティ面でも優れており、不正防止の機能も備わっています。
弊社では「a2Sign」という電子署名サービスを提供しており、使いやすさやセキュリティ対策も充実しています。企業の規模や業務に応じてご利用いただけるため、ぜひ一度お試しいただき、自社のビジネスに適しているかをお確かめください。
書類の保管・管理・廃棄はセルフストレージがオススメ!
ペーパーレス化を進めたとしても、過去に紙で管理していた資料や法的な保管義務のある書類については、一定期間保管が必要な場合もあります。これらの書類をオフィス内に保管し続けると、スペースを圧迫する要因になり、業務スペースの有効活用が難しくなることもあります。
そのような場合には、セルフストレージサービスの利用がおすすめです。弊社の「CloudRoom」は、書類の預入れや取り出しがDoor to Doorで行えるだけでなく、保管期限が過ぎた書類の廃棄もワンストップで対応可能なサービスです。これにより、オフィススペースの有効活用と安全な文書管理が両立でき、多くの法人様にご好評いただいております。
書類の保管場所が不足している場合や、文書管理の負担を減らしたい場合には、ぜひ「CloudRoom」の利用をご検討ください。ペーパーレス化だけでなく、オフィス環境の改善にもつながります。
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中本裕士 (nakamoto)
nakamoto@berrymobile.biz